何十年も前のピアノ
私が10歳の時、新築の家に引っ越した。
そのお祝いで沖永良部のおじいちゃん、おばあちゃんに買ってもらったピアノ。
小学校・中学校の計9年間ピアノを習っていたけど、あまり真面目に練習もしなかったし、なかなか上手になれなかった。そこまで好きになれなかったのだと思う。
大学で軽音サークルに入り、キーボードを弾くようになってから「あの時もっと練習しておけば…」とすごく後悔した。
大学を卒業してからは一人暮らしをしたり、仕事が忙しかったりで、全く弾かなくなった。
4月。実家から新居へ。
家を建てる際、リビングに「ピアノを置くスペース」と「DJブースを置くスペース」のどちらを作るかで旦那と少しせめぎ合った。息子のためにはピアノを置いた方が良いだろうということで決着。
何年も、誰も触っていないピアノ。調律はもう何十年もしていない。素人の耳でも分かるほど、音も狂っていた。
5月。調律を頼んだ。
旦那の従姉妹が調律師さんなのでお願いした。相当ホコリも溜まっていただろうし、調律も大変だったと思う。綺麗に音を合わせてくれたけど、長い間メンテナンスしていなかったのでまたズレていくだろうとのこと、「たくさん弾くこと」と「年末にもう一度調律した方が良い」と、教えてもらった。

▲滅多に見られない光景に、思わず写メ。
12月。再び調律。
今年は友達の結婚式で演奏する機会があったので10月まではよく弾いたけど、結婚式が終わってからはまた放置気味だった。

息子は初めて見る「ピアノの中身」に興奮気味。何度連れ戻してもピアノの前に行ってしまう。
仕方がないので「絨毯より前に出ないように!」と言うと、以降は絨毯のギリギリ端っこに立って、じっと見学していた。
ピアノ、大事にしようと思った。
左端の低い音の鍵盤が、押した後の戻りが悪くなっていたらしい。部品が通る穴の周りのフェルトが湿気を吸っているのが原因らしい。
「そんな端っこ滅多に使わないから分からなかった。」と言うと、「なるべく端から端まで、全部の音を弾いてあげてください」「たくさん触った方が湿気も無くなるので」と教えてくれた。
これから毎年年末に、調律をお願いすることにした。
何年も放置していたのに、壊れず現役でいてくれた私のピアノ。来年はもっとたくさん弾こう。大事にしよう。
息子も4歳になるし、ピアノ教室の体験も探してみようかな。いつか息子が引き継いでくれたら、このピアノも幸せだと思う。
よしぱん